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  • 執筆者の写真Daisuke Shirakawa

環境保全!奥深!

ようやく暖かくなってきました。

山側の、日当たりも悪く吹雪で雪が溜まったような所は未だに雪が溶けきってないですが、

そういうところを除き、ほとんど溶けてきました。


以前の記事で書いた、雪による土砂崩れ(主に木)について、

近くまで行けたので見てみたら。





なかなかの惨状。




田んぼに木が入ってるし、

水路には木や土砂が入って詰まりかけてるし。





せっかく設置したワイヤーメッシュ(←ケモノ対策)も数十枚ぐちゃぐちゃだし。



…わちゃー。としか言いようがない。




これ、真面目な話、今年作付けを諦めざるを得ないかも、という話になってます…


なんか、あれっすね。

こうやって自分ゴトになってみて。

これに公的な救済措置が出ない可能性がけっこう高い。ってのがビビりますね。

これを、100%自力でどうにか?

マジで無理…。



あと、イノシシが春先に畔をボコボコにして歩くという被害を

昨年受けたので、冬の間も電気柵をしていたのですが。




大雪で、こんな感じになっているだろうことは、覚悟していました。


が・・・




電気柵が「無効化」されている僅かな期間に、畔ボッコボコ…

早いよ…イノシシ。




イノシシつながりでいうと、

雪が溶けてイノシシの罠のあるところにようやく行けるようになったので、

そこにも久々に行ってみました。




こちらも木が倒れたりして。

上の方がごっそり折れて…



当然、下はこういう感じに…


他にも、水路が寸断されかかっているところがいくつも。


(もはや見えないけど、ここ、かなり重要な分岐点なんです)



(これもやばい)



恐るべし、今年の雪。。



まぁ昔から大雪やら猛暑やら台風やらすごい年はあったのでしょうけども。

気候変動ってやつなんでしょうかねー。



実は個人的に、環境保全にもひっそりと少しずつ取り組んでいるのですが。



だいたい「環境保全」ってコトバの含む所がいろいろあり過ぎだなと、

思っていて。


人間の生活環境。って意味もあると思うので。


そういう意味では、ちゃんとやってるほとんどの農業者はそれなりに環境を保全していると思うのですが。

(水田の防災効果とかCO2吸収効果なんかも大きいんですって)



そこに加えて、地球環境保全、という壮大なのに目に見えにくいテーマが。



具体的には、

「温室効果ガスの削減」と

「生物多様性の保全」


見えにくい!


が、手をこまねいていても仕方がないので、取り組もうと。


ちょっとマニアックになりがちなのですが、

できるだけざっくりと分かりやすく書こうかなと。




水田って、常に水を張っているイメージかもしれませんが、

「干す」タイミングも必要なのです。


もちろん、稲の生育に「水」とか「温度」が必要なので、水を入れる期間は長いのですが。


ある程度成長したタイミングで、いくつかの目的をもって干します。


目的は、根に酸素を補給し、根にダメージを与えるガスを放出するとか、稲刈りのときに機械が入りやすい土の固さを確保するとか。(他にもあるけどだいたいこんな感じ)


この干す作業を「中干し(なかぼし)」と言ったりします。



しかしこの中干しのタイミングは、意外とストライクゾーンが狭いと言いますか。


・ある程度育ってから干さないと、収穫量が減ってしまう。

・干す期間が短すぎ(or干してる間が雨続き)だと、目的を達成できない。

・干し終わる時期が遅すぎると、「穂」を作るために水が必要な時期にかぶってしまい、これまた収穫量や品質に悪影響が出てしまう。


という。


このストライクゾーンの狭い「中干し」がですね。

「温室効果ガスの削減」

「生物多様性の保全」

に関わっているという。


まず温室効果ガス。


さっき書いた水田から放出したい「ガス」。

これ、多くは「メタンガス」なんですって。

んで、これはCO2より温室効果が高いんですって。


農水省のマニュアルによると、

「中干し」の期間を1週間ほど長くすると、メタンガスの排出削減効果が期待できるのだとか。


なるほどー。それくらいなら、多少収量が減っても、やってみても良いかな。

と思ったり。


一方の生物多様性。


これは、地方や保全する生き物にもよるようですが、ザックリ言うと

「中干しのスタートを3週間くらい遅らせる」と良いらしいです。

(水がある期間が長くて幼虫が成虫になったり、オタマジャクシがカエルになったりできる)


さ…3週間…ですか…


開始を3週間遅らせて、干してる期間を1週間長引かせると、、、


中干しの終わるのが、いままでより「1ヵ月」遅くなることに。



これはなかなかの大変化ですぞ。



ちなみに、昨今、夏の暑さがキッツイじゃないですか。



穂が出て熟していくときに、メッチャ暑いのは、稲にとっても過酷なのです。

なので、田植えの時期を少し遅らせるような工夫もしていて、今後もやっていこうと思っているのです。


となると、通算で、1ヵ月どころではないスケジュール変更になってしまいそう。



というわけで、

一気に変えていくのは超ムズイので、

オタマジャクシがカエルになるための水たまりを確保してみたり、ちょっとずつやってみようかなと。



そんなことを考えながら、苗を作る場所の準備をしてみたり。



雪、溶けてよかったー



あとは、水路掃除を始めてみたり。

あ、水路も、生き物の生息場所として大事で、あんまりキレイにしすぎるのも良くないのだとか。


えぇぇ…?どれくらい??



悩みながら、いつもよりやや中途半端な感じにしてみたけど…


(Before)



(After)


分かりにくい(笑)



まぁどこまで行っても人間のしている人為的な営みが農業なわけですから、農業が壊滅して原野として荒れ果てたら、そりゃ他の生き物にとっては増殖するチャンスが増えるってものなのでしょうけどね。


だいぶ端折りましたが。


奥深い「環境保全」について、引き続き勉強していこうと思います。



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