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バランスを全力で。

  • 執筆者の写真: Daisuke Shirakawa
    Daisuke Shirakawa
  • 2024年11月3日
  • 読了時間: 5分

涼しくなりましたね。ようやく秋って感じ。


去年も暑かったけど、今年の方が長~く暑さが続きましたね。。


僕が就農してから、最も暑い稲刈りシーズンでした。。



稲刈りって、手で刈り取っていた昔と違って、コンバインという機械で刈り取ります。

この機械、超~優秀!で、

・稲の根元をカットする。

・カットした稲全体を持ち上げて次の工程へ移動させる。

・脱穀する=稲から籾(もみ)を分離させる。

・残ったワラをカットして田んぼに落下させる

・籾(もみ)はタンクに入る。

という工程をこなしてくれます。


すごいんです。


ただし。これだけのことをやってくれる代わりに、「濡れているとうまくできない」という弱点も抱えています。


だから、稲刈りシーズンに雨が降るのは、スケジュールが押しちゃって困るんです。



とは言え。


とは言えですよ。



こんなに暑くて晴れたら、人間がまいっちゃいます。





稲って、いつが収穫タイミングなのか?


というのが、

穂が出てからの「積算温度」ってやつで決まります。


早すぎて全然熟してない、青い稲を刈ってしまっても、米粒が膨らみ切っていなかったりしてダメ。


遅すぎて熟れ過ぎのも、みずみずしさが無いとかで品質的にダメ。



「暑い」と、早く熟していきます。



つまり「良い時に刈りたい」と思ったら、大忙しになります。


あ、これはあくまでも僕の場合です。


早く穂が出て早く稲刈りになる品種。

遅く穂が出て、遅く稲刈りになる品種。

その間の品種。


とかいろいろ「良い時に刈れる」という稲刈りスケジュールを考えて

品種のバランスとか田植え日程を決めています。


今年、こんな暑さと晴れ続きの9月を予想していなかったので、

気持ちの準備ができていない状態で、

次から次へと稲たちが「もう刈ってくれ~」って時期を迎えたという…。




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(ほんとに暑かった…)



7~8月の猛暑も、モチロンきついですよ。


でもね。

この時期の肥料散布とか草刈りって、ある程度自分のペースで出来るんです。


あまりにも吹き出る汗でハイになって一気にやっちゃって、謎の達成感を味わっちゃいたい気分のときもあれば。


「いやいや、これはシャレにならんだろ…」って気分で、あんまり頑張らない時もあるのです。



田植えシーズンと稲刈りシーズンは、猛烈に忙しい代わりに、

比較的過ごしやすい気候なので無理がきく、という面がありました。


で、夏はさきほど書いた通り、「くっそ暑いけどそんなに忙しくないからどーにかなる」

という感じです。



ところがどうでしょう。


この秋は、35℃超えの日もあるわ、ほぼ雨降らずに稲刈りできちゃうわで、

「猛烈に忙しいし、くっそ暑い」

という条件が整ってしまいました…


稲刈りシーズンに向けて、

夏に疲れを溜めすぎないようにコンディション調整していたとはいえ、

「ランナーズハイで!」というレベルをちょっと超えていた気がします。



昨年から一緒にやってくれている人にも、

本当は稲刈りサポートの時にコンバイン操縦を見学してもらって少しでも習得してほしいのですが、

待機する方も暑さでめちゃくちゃ消耗しますから、今年はそこは求めず、体力の温存を最優先にしてもらいました。



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(車のわずかな日陰で待機とか…)



焦るけど、自分も周りも限界を超えないように安全・体調を管理する。

焦りつつ、焦らない。

このバランスを全力で取るという禅問答のような2か月でした。


いやはや、よくぞ無事に駆け抜けたと思います。



まぁその一方で、優先順位が低くなったものたちにしわ寄せが行き、

今ごろ慌ててフォローしていることがいっぱいあるのですが…

(集落の班長としてのシゴトは「失格」と言われても反論できない状態です)


イノシシ対策も、サボったわけではないですが防ぎ切れず…一部の田んぼでかなりやられてしまいました。



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(電気柵してるんですけどね…)


あれこれシゴトは山積みなれど。



まず必要なのは「オフの時間」だろうということで、

ボロボロなのに早起きして釣りに行ってみたり(笑)


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(海の朝焼けビューティフル!って感動して何も釣れずに帰るのも味わい深かったです)



で、ちょっと本気出してイノシシ対策。



もう、あちこちフェンスにアタックしてきてるんです。

9月ころまでおとなしかったイノシシも、10月から本気出してきてます。


フェンスの端から端まで全部ほじくり返して、少しでも弱い所を探しています。

恐ろしい執念。


で、人間が出入りするためにトビラ機能を持たせて強度を犠牲にしたところからまんまと突破され…


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出入り機能をあきらめて補強しましたけどね。


ほんとにケモノが増えてきていて。


稲刈り終了直後に、それなりに広い県道で2週連続ケモノとぶつかりそうになりました。


最初はオス鹿が逆走(?)してきて正面衝突寸前でした。。

次が、イノシシ4頭が県道左車線を同じ方向へランニング。。


捕らないと・・・。


檻も、稲刈り中放置してしまっていたところは草刈りから。

(Before)

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(After)

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(罠の周りだけ草刈りしてめっちゃ怪しいのに、これでも捕れるんですよね~)


あとは、水路も色々と問題だらけ。



老朽化して亀裂が入ったような水路は、水が漏れて田んぼに入ってきます。


水路から水がなくなったタイミングで、補修せねばです。

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(なかなか重症です)




あとは、多くの人が軽視しがちな「排水路」の掃除。


これが土砂で「埋まる」と、排水できなくなるわけですから大変です。


みんな分かっているはずですが、あまりにも大変なので見ないことにしているのではないかと思います。


うん。その気持ちは良ーくわかる。





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(完全に埋まってるところも。)


でも。


水路って繋がってるから、僕のところだけきれいでも、実はあんまり意味なくて。


自分の田んぼの下の田んぼの水路が詰まっていると、

土砂は結局自分のところに溜まるわけで。



やるか。

やらないか。



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(秋なのに汗だく)


技術とか、道具とか、知恵も大事でしょうけれども。


そのベースにあるのは、ようするに気合い(笑)



イノシシの執念を上回る気合いが、君にあるか。

(すみません。僕にあるか。でした)



稲刈りとは違う筋力を使うので、ちゃんと筋肉痛になります。


そして、

後回しになっているものたちが、もっと後回しになっていきます。

(ここは気合も執念も足りてないです)


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