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水路メンテと芸術祭

  • 執筆者の写真: Daisuke Shirakawa
    Daisuke Shirakawa
  • 2022年11月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年1月10日

前回のブログであと少しで農繁期が終わる!

ということを書いてから1ヵ月が過ぎました。


この1ヵ月の変化は結構すごくて。


大きな怪我やトラブルもなく無事に稲刈りが全て終わり、師匠とも打ち上げして。


しかし作業場の掃除やら機械の掃除、資材の片付けなど、後片付けのボリュームもなかなかですので、「わーい。ヒマ!」てなることは全くなく。


来年に向けて早くもいろいろと。


焦んなくても良いんじゃ?って思われるかもですが、

12月に入ると一気に雪の心配が出てきますので、

それまでにやらなきゃ!ってのを考えると、意外に「追われる11月」だったりします。



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まずは「水路」

水路が老朽化してくると、隙間があいて「水を入れたくない時期」に勝手に水が入って来たりします。

これ、深刻ですよ。


干したい時に干せない。


残念なことに、この現象に気付くのはたいてい「漏水してから」なので、シーズン終了後に対応するしかないのです。(シーズン中は、どうにか応急でしのぐしかない…)



あと、

僕は地区全体の役員をしている関係で、農道と水路の修繕工事の依頼やら立ち合いやらもあります。


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農道も崩れて幅が減り、車が通れるかどうかのギリギリに…。


工事していただけるのは、すごーく助かります。

が、こういうのの事務手続きの負担はなかなかのものです。。



水路って、つながっているので地域の共有財産なのですが、

プレイヤーが減ってくると、こういうところのメンテが行き届かなくなりがち。


…と、いまのは「用水路」の話。



「排水路」もなかなか大変でして。



用水路は、田んぼに水を入れる方。

排水路は、田んぼから水を出す方。



田んぼから水を出すので、田んぼの泥とかも割と一緒に出ていきます。

すると、、どこかで詰まります。

詰まった所にさらに詰まります。

堆積していきます。



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僕が引き受けた時には既にこういう感じで、

どこが水路なのか、よく分からない状態に…!


堆積した土砂からも草が生えますので、

草刈りの負担もなんか増えてる気がします。




ということで、意を決して稲刈り後の筋トレ!ということで

頑張りました。


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やれやれ。



しかしここも用水路と一緒で、みーんな繋がってますので、

下流側で埋まっているところがあればまた僕の所も埋まって行く運命にあります。。



この作業してる時に近所の方が僕を見つけてやってきて、

「ここに向かっとるんか」

「その気概がすごい。普通は向かわない」と言われ。

「ま、そうっすよねー」って。(想像するだけでシンドイから…笑)


結局そのときは立ち話を30分くらいして、めんどくさくなってきたので(笑)

その後すぐにやめて、合計4回くらいに分けて掘って行ったのですが。


こうやってしゃべったりしながら休憩したり気分転換しながらやった方が心身共にラクですからね。



水路の話の流れで、もう1つあって。


最近は「田んぼダム」という考え方が広がってきていて。


大雨のときに、田んぼから「排水されていくペースをゆっくりにする」ことで、

「下流の川の堤防の決壊を防いだり、遅らせたりする」のに貢献できる、ということなのですが。

それの研修に行ってきました。



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山、田んぼ、川、街。という模型があって分かりやすかったです。



具体的には排水口にちょっとした工夫をするのですが。


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(いろんなやり方があります)



これを普及させる上での根本的な課題は、

「やる人」と「受益者」が違う。ということですね。



やる人は、主に山あいの農業者。

受益者は、下流に暮らす人たち。



中山間地で農業をしていると、こういう壁を感じることが多々あります。



大雨が降って、川が一気に増水する理由って、

元は「山」にあるんですよね。

「山の保水力」が弱ってきていると、雨→増水がすぐに起こる。


山も田んぼも、平野部の暮らしも、みんな繋がっているんですよね。


温暖化が~みたいなイマイチ掴みどころの無いデッカイ話ではなくて、

もうちょっと分かりやすい話なのだと思うのですが、

そうなのか、と思える場所に身を置かないと分かんない話かも、であったり。




とかとか、来期に向けて色々考えることの多いこの時期。

課題があるということは、工夫のしがいがあるということなので結構オモシロがっているのですが、

このタイミングで、僕の住んでいる鹿野町で鹿野芸術祭がありました。


古民家や空き家、山の中など色んな所を使った鹿野ならではのアート鑑賞ができるお祭り。



僕がとりわけ敏感に食いついたのは、「牛を引く」という映像作品。


25分ほどの映像でしたが、たぶん期間中に10回くらい見ました。


鹿野町を構成する「城下町」「山間部」「平野部」の繋がりやそれぞれの役割とその変遷を詳細に追いかけつつ、時代により変わったこと、変わらなかったこと、これから変わっていくであろうことが描かれていて、おもしろかったです。

随所にアーティストさんが伝えたがっているメッセージがさりげなく入っているように感じられて、何度も何度も見てしまいました。



多分これは当事者として農業をしているから、というところもあると思いますが、

すごく分かりやすいので、農業者ではない人にもぜひ見てもらいたいです。

近々、公開されるのではないかと思いますので、その際はここに追記します。


※アップされました!こちらから見られます。(2023年1月)

(再び展示する場合など、オンラインでの公開を中止する可能性があります。)



芸術祭は、いつもドタバタとしている毎日から、目線を一気に変えてくれる素晴らしいもので、本当に行けて良かったなーと。




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この期間限定の、老舗のおでん屋さん。

これも作品なのです。

飲んで食って、楽しんじゃいました(笑)



稲刈り終わるまでは、秋のイベントは何も参加できない米農家ですが、

終わってからのこの変化は、本当に1ヵ月前まで超ドタバタしていたんだっけ?と我ながら不思議な気分です。




一気に寒くなってきましたが、

イノシシ対策がもう少し残っているので、それを頑張ったらひと段落かな。





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