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執筆者の写真Daisuke Shirakawa

「普通」を維持するって大変。

ちょうど1年前のブログで、一番忙しい稲刈り後、とか書いてましたが、

今年、すぐに記録を更新しました(笑)


イノシシ、シカ対策のワイヤーメッシュ(←要するに「柵」です)を山すそに数百枚設置していく作業のリーダーですので、大変なのは分かってはいたのですが。


去年からずっと、山の木の枝を打ち、竹やら笹やらを切り、

時期が迫ってきたらあれこれ地域の方々と段取りや日程の打ち合わせをし。


ま、じ、で、ヒトが足らない。


足らない足らない。ってあちこちで言ってたら、

さすがにあんまり興味なさそうな感じだった地域の人たちも、これは本当にヤバいやつなのでは…と思ったのか(笑)、

この11月はたくさんの人に協力してもらえました(感動)



まず、いま張ってある電気柵を撤去。




撤去する作業(←地味)もさることながら、撤去した資材を分別したり片付ける作業(←超地味)もなかなかきついものが。


(僕の軽トラがカオスに…)



そして撤去後に、草刈り


で、


10月に納品された資材たちを、まずは山すそへ配布しておくという事前準備。


この資材、10月から実施する現場近くの運送会社さんのご厚意で、会社の敷地内に仮置きさせてもらえて(超感動)、助かりました。



(驚異的なボリューム…)



この山すそへ配る準備。

なんとなんと、学生さんが7名も手伝いに来てくれました。

「農村16きっぷ」というプロジェクトから、試験が近い時期だというのに!

ありがたや。


全員女子。ワイヤーメッシュも鉄の支柱も、重たいのに。

バリバリ頑張ってくれました。

なにより、若さ!明るさ!

地域のおじいちゃんたち、絶対いつもより元気出してやってたと思う(笑)



で、事前準備を無事に終え、

本番!



立て続けにある共同作業。

他にもいろいろあるであろう週末。(←田舎はどこもそうだと思いますが、土日にめっちゃ共同作業とかイベントが重なります)





たくさんの方に参加いただいて、無事に予定の作業を終えました。



とにかく作業ボリュームがすごいので、

細かい所は少人数でボチボチやるとして、それ以外を終わらせたのですが。


「細かい所」の1つが、「人が出入りするトビラ」の設置。


柵を完璧にしてしまうと、

枝打ちや草刈り、イノシシの檻やワナのメンテなどに支障が出るので、

出入りできるような細工をしておく必要があり。


地形や用途によって色々なやり方があるようで、

鹿野近辺でトビラを設置しているところを教えてもらって、事例研究に行って来ました。



そのうちの2か所、すんごい山奥でした(笑)



まぁケモノ対策をするところですから、それなりの大自然なのは当然なのですが。


7年住んでて、一度も行ったことが無いゾーン、まだまだありました…。

文字通り、奥が深い。



色々なトビラのやり方を見れて勉強になったなー。(もはや何の役に立つのか不明ですが)

てか、この山奥のトビラのありかを、地図で「だいたいこの辺」とか教えてくれた役場の人、すげぇ記憶力と土地勘!って感動しました(笑)

かなり正確でした。


やっぱ、市町村合併とかで、自治体がでっかくなっちゃってジョブローテーションだかなんだか知りませんが、よその地区の人が役場にずらりと揃っちゃうと、こうはいかないんですよね。

長年この地区にいるからこそ!という場面は少なからずあると思いました。

(↑移住者の僕が言うことじゃないですが。そしてもちろん、よその地区の人がいるメリットもあると思います)



あとは、初めて行く地区で、驚いたのは、

僕が農業しているところよりはるかに傾斜がきつくて、農地は小さいし斜面はでかいしケモノは多そうなところで、

しっかり斜面の草刈りがされている!というところ。



驚愕。奇跡的と言いたくなるレベル。



きっと、僕みたいな仕事してる人じゃなければ、「草ボーボーじゃない斜面」を見ても特別なこととは思わず「普通」に、意識すらせずに通り過ぎるのだと思います。


僕の場合は職業病みたいなもので、あちこちで田んぼを見ると、もう「風景」として見れなくなっていて、稲の生育具合、あぜの斜面の大きさ、イノシシが出そうかどうか等(笑)、そんな目線で見ちゃいます。



なんというか。


「普通」の状態が普通に維持されているわけではない、という気持ちはちゃんと持っておきたいなと、山奥のきれいな斜面を見て改めて考えさせられました。



僕らが捨てたゴミ(廃棄物)だって、

燃やして跡形もなくすべてが消えているわけではなく、誰かの住まいの近くにある処理施設が少しずつ埋まっていっているし、


肉や魚にしたって、

牧場や港からスーパーのパックになる間には、屠殺(とさつ)をするお仕事の人が居てくれるからであり。


電気だってそうだと思うし。


いまは割と

そういう「裏方」的な役割を裏方にし過ぎているような。

感染症で世の中が止まった時に、裏方の存在がやっと認識される、とかって。

あんまり健全じゃないなぁと。



自分で全部やるのは無理だとしても、

ちゃんと知っておかないと、魚は切り身の状態で海に居る、と本気で思う子どもたちが増えるのも無理はないなと。



農村はこれからどうなっていくんだろうな。

ちゃんと「普通に存在」している方が「すごいこと」になってくるんだろうな。



みんなが義務感でしょうがなく参加する共同作業じゃなくて、

なるべく有意義だと思えて楽しく集まれる共同作業ができたら良いなぁと思った

超マニアックな山奥のトビラ行脚でした。

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