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仕込みの冬

  • 執筆者の写真: Daisuke Shirakawa
    Daisuke Shirakawa
  • 2023年3月10日
  • 読了時間: 5分

いい天気の日が増えてきました!


(朝は放射冷却で霜がすごい日々です)


フキノトウも。

(熱燗との相性がバツグン)



以前はこれを見ると

「おぉ!春が近いですね!」みたいなみんなと同じテンションで喜んでいたのですが。


最近は、「おぉぅ…農繁期が迫ってきている…」とドキドキして、素直に喜べない自分がいます笑




4月からはお米作りが本格化するので、

晴れている3月は、貴重な事前準備の日。


水路補修とかは、できるなら3月に終わらせたいところです。



…と言いつつ、お世話になっている近所の方の水路補修をお手伝い。


世代交代されて、色々と分からないことが多い方に、

僕みたいなペーペーで恐縮ですが、水路の直し方をアドバイスしたり。


しかしこの世代「交代」というのが、

ほぼ行われていないのが、農村の現実。


ご年配の方々が頑張っておられるのですが、

下の世代が居ても、受け継ぐ気がないか、

受け継ぐ気があるのに、上の世代がそれを渡さないか。


みたいなことがあって。

上の世代が「限界を超えてから」渡されても、渡されたほうが慌てるわけで。



「余力があるうちにバトンタッチ」という判断の難しさを実感するここ数年。



そもそも、バトンタッチする相手が居ないケースも多々あるし。



とかとか考えつつも。

農繁期本番に入るまでは、

もう少しは余裕がある3月の米農家


味噌づくりとかやっちゃったりして。

(みんなでやると楽しいー)




この大豆。

畑で友だちとワイワイ育てたんです。


ちょっと作り過ぎたのですが笑


晴れた日に家のそばの道で座って、虫食いマメを選別。


平日だったりすると、世の中のほとんどの40代男性がガッツリ働いているであろう時間帯に、道端でマメをいじっている図は、我ながらこれでいいのかと、不安になります笑



散歩しているオバサマ方が多いことにも気付いたり。


こういうことでもしてないと、ゆっくり話す機会が無い方もいて、

むしろ近所の人と話すために大豆を選別しようかと思ったくらい。


大雑把な性格なので、せっかく育てた大豆。ちょっと見た目が悪いくらい、はじかなくても良いのでは、と思い、

オバサマに聞いてみると。


「味噌にするなら、どーせつぶすんだから、大丈夫」

(という意味の鳥取弁で)

力強く背中を押して頂きました。



よっし。



だいたい。

お米とかも含めて、みんなそれでOK、という世の中だったらもっとラクだし、

もっと安くなる(←ここ大事)と思うなー。


農村の人は、程度の差こそあれ、自分で育てたことがあったりするから、

虫食いや変色の豆とか米をよく見てる。

「あー、あれね。」くらいで。

というかもはやソレすら思わないかも。



逆に、キレイなのしか見たこと無いと、変色してるのが異常に見えて嫌悪感がすごくなる。



次第に、農村にもそういう人が増えてくるので、なんだかみんながキレイなのじゃないとダメな雰囲気になっていく…という感じかな。



まぁ僕も就農するまではソッチ側に居たので、何と言いますか、

「わかるぅ~」としか言えないのですが。



この距離感、少しでも埋めたいなー。と思っているので、

ぜひぜひ、ようやく動きやすくなってきたこの時期に、

遠慮なく鳥取の農村へ遊びに来てくださーい。



こんな感じで味噌づくりとかして余裕見せてたら

もう「育苗(いくびょう)」の準備の時期だったりして。



苗を育てる場所を整えるために、まずは「あぜ塗」。

水が漏れないように土の壁を作っていき。





耕うんして、代かきして。と。



これ、苗を並べるまでに地面をカッチカチに乾かしたいので、

3月中旬にやっておきたいのです。



4月からの作業に向けて、ちょうどいい「思い出し」の作業でもあります笑


いっつも「あれ、どーだったかな…?」ってなりながら、

はいはいはい!って思い出してます。



色々と謎の予定にもみくちゃにされながらの作業だと、

イメージ通り行かないと焦ったりもするのですが。



ほんと、予定ギリギリで作業段取りしてはダメなのです。



農協さんが、アポなしで「タネ」を持ってきたりして。



トラクターに乗って育苗の田んぼに向かってるときに、めっちゃこっち見てきて。



いまだに慣れないんですよね。

なぜ「納品」というビジネスでいうところの超大事なところを「アポなし」で来ちゃうのか…笑


居なかったらどーしてたんだ。


でも、この地域一帯の分のタネを積んでたりするのを見ると、

なんか「協同組合」ってそーゆーもんなのかも?って思ってホッコリしないでもない笑



というわけで、いきなりタネが納品されたので、トラクターを下りてフォークリフトに乗り換え、予定がどんどん変わっていくという…



だいたいこの冬に動きたいことは出来ただろうか…?



うーむ。

欲を言えばキリが無いので、結構全力で走りきった感はあり、ヨシとしよう。

(基本自分にはやさしい)



しかし2月のある日、ヘトヘトになって温泉入りにいったら、受付のおいちゃんから

「いまはやることないでしょ?」

って聞いてきたのはおもろかった。


たしかに!


って。


まー。普通そう思うわなー。



同じ人に今日「苗のとこ、準備してたね」って言われて。


この人にとっての「白川のヒマな時期」は本日、終わったのでしょう笑



良いの良いの。


自分でも何をしている冬なのか、うまく説明できないから。


きっと、春からの現象となって見えてきたときに、

そーいえばアレは冬に頑張ったアレだ。


となるのでしょう。



味噌も、あとは基本放置。

発酵という微生物のチカラにお任せして、

いつの間にか出来上がってくれる不思議に感謝です。



この冬がんばったすべてのことが、

良い感じに発酵してくれると良いなー。


いや、すべてなんて贅沢だ。


一個でも良い!

(いきなり謙虚)



さて。

年度末に向けてもうちょいやることが残っているので、

きっとこれは発酵しないやつだけど、

気合いでやっつけます。








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