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執筆者の写真Daisuke Shirakawa

最先端は追わず、しかし駆け込む


暖冬のまま、春に突入します。

これはもう間違いない。

雪が降らない割には、いつも通り(?)雨は多く、

晴れ間にソワソワしながら春作業の準備なんぞをしております。

まずは、苗を育てる「苗田(なえだ)」の準備。

ほぼ一年ぶりに使う機械は、だいたい問題が起こるんですよ(笑)

でも

「明日は雨…」ってことが多いので、今日中になんとかトラブルを解決して作業しちゃいたいっ!と、まだ3月なのにやたら焦る。

農機メーカーさんにもなにかとお手間を…

もう、天候が予測不能過ぎて、いろいろ前倒し。

僕が就農したときから、師匠はよく、

「何も考えずにカレンダーだけ見て作業したらダメ」と言っていました。

つまり「毎年4月1日に○○してるから、今年も。」という発想ですね。

天候をはじめ、自然の中で行うことなので、色んな状況を見て、

良いタイミングで作業することが大事と。

ほんとそうなんですよね。

でも3月って、イマイチのんびりしちゃって(笑)

苗田の準備が雨続きの影響で後ろ倒しになったりとかすることもあり…

そうすると、4月5月に響いてくるという…

でも作業が早すぎても、苗田に雑草が生えるんだろうけど…

と悩みつつも、苗田の代かきまでやってみちゃいました。

過去最速。

そんなこんなで春の準備もありつつ、

冬の間にしかできないことをなるべく進めたかったりして、

3月に駆け込み(笑)

あ、とは言え、

都会の年度末とかの駆け込み感とは、まるでスピードが違いますよ。

メールや電話でバババっと済むことなど、ほぼ無いので(笑)

なんか急いでるときに、

「この会議要る?○○(←情報共有ツールとか)使えば良くない??」ってイラっとすることが、

サラリーマン時代は時々ありましたが、

最近、それがなくなりました(笑)

もうね、

大事なものが違うんでしょうね。

田舎では、「スピード感を持ってゴリゴリ進めていくこと」は特に求められていない。

みんなで、時間をかけて、顔も膝も突き合わせて、情報共有して、時には「意味が分からなかったとしてもその場で話を聞いたという事実」なんかがとっても大事。

(完璧にはできませんので、ちょいちょい緊張が走ります)

関係者に集まってもらう日程調整も、一筋縄ではいきません。

メールやLINEでパパっと、なんて絶対ムリ。

一人ひとり電話。

一番忙しそうな人から(笑)。

だけど、全部口頭だから、日程調整で、

空いてる日を、言い間違えたり聞き間違えたりしたら、

すごい手戻りが発生する(笑)

ケータイ持ってなくて、家の電話も出ない人の家には、直接行く。

もう最近はこれが面白くなってきました。

超ゆっくりなんだけど、

僕としては可能な限り冬の間にいろいろ進めたいから、

ゆっくりなりにも、早そうな道を探してウロチョロしてみたり。

都会と農村では、世代も価値観もまったく違うんですよね。

都会(の民間企業)は

「こんな生産性の低い進め方をしていたら他社に負けてしまう

という価値観が働いているような気がします。

そして、その危機感が強い人と、弱い人の間でストレスが発生するという。

田舎は、

「他の田舎に負けてしまう」といった競争相手は、居ません(たぶん)。

その代わり、

「こんな拙速な進め方してたら、(知らなかった人たちとかに)足を引っ張られてしまう」

といった、言わば「身内の敵」が念頭にあります(たぶんね)。

都会の「他社」ってなんだろう。

田舎の「身内の敵」ってなんだろう。

全然ニュアンスは違うけど、一言で共通点を挙げるとするならば、

都会も田舎も「生き残り」を賭けていることに変わりはないんでしょうね。

都会では、危機感の強弱でストレスが発生するにしても、

結局のところ組織が生き残るためにどうにか一つの方向を向くという「経済的な利害」で

一致団結(あるいは納得してなくてもイヤイヤ従う)しやすかったりします。

が、

農村ではそうはいかない。

生き残りのニュアンスがだいぶ違う。

戦う相手は、他社でも他の町でもなくて、

「経済的な利害が薄まってしまったけど同じ地域に住んでいる、一枚岩になりにくい自分たち」って感じなのかな。

こんなこと考えながら、最近、自分が「どこにいるのか」を意識しながら違いを楽しんでます。

(ほぼ変態ですね)

一番小さな視点は

「僕自身が田舎で生きていくために」です。もちろんそうですよね。

次が

「みんなが大事にしている視点で、結果的にスムーズに楽しく物事を動かす」かな。

さっきの、効率度外視しているように見える会合とか。

この辺の立ち位置をもう一人の自分がふわーッと眺めながらフフフと笑っているわけです。

(本当に変態ですね…)

でも、もうちょっと大きな視点でも見ていたくて。

きっとそれは

「今みんなが大事にしている視点が有効なのは、いつまでなのか」ということかな。

だから、都会や他の地域がどんな風に情報共有や意思決定をしているのか、

知っておくことは引き続き大事だなーと。

いつ役に立つのかは不明ですが(笑)

この距離感に愕然としつつ、

今日も電話とかアポなし訪問とかで、1歩進んで半歩下がっていこうと思います。

あ、農繁期前にやっておきたかったこともう一つ。

イノシシのくくり罠作り!(笑)

どんどん変態感が増していってます。

(檻のワナに限界を感じ始めているこの頃…)

そして今さら、狩猟マンガを友達に借りて読むという(笑)

こんなことは、農繁期にはできませーん。

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