ついにというかなんというか、
イノシシを、捕獲してしまいました。
就農して5年。
狩猟免許を周囲の陰謀もあり取らされ(笑)
ペーパー期間を経て、とうとう罠の管理をして4か月。
稲に穂がついて、
イノシシも田んぼを歩き始めた8月。
毎日のルーチンですが、
朝見回りに行ったら、檻に入っておりました。
第一印象。
「マジかよ」
自分の責任において仕掛けた罠で、
イノシシが穫れたということは、
当然、師匠が獲ったやつを見たり聞いたりしてるのとはわけが違いまして。
やっつけて(つまり殺して)、解体するまで、自分の責任になるわけです。
にっくき田んぼの敵を捕まえた喜びよりも、
今日一日が完全に想定外の動きになることへの恐れ。。
ともあれ、早朝(5時半)でしたが師匠に電話。
役所立ち合いが必要だからということで、8時半までは放置ということに。
僕自身、このイノシシ檻を設置していた集落での合同草刈りを主導する立場の
外せない予定があったので、8時半まで草刈り。
8時半に役所の担当者に連絡が取れて。
9時集合ということに。
師匠にもそれを伝え。
僕は、檻の仕掛けはできても、
そこに入ったイノシシをやっつける技術はありません。
師匠に協力してもらいながら覚えていこうと。
が、
8:55に行ったら、
役所の人も、師匠も居て、
すでにイノシシはやっつけた後でした。
2人:「おめでとう」
僕:「…あ、ありがとうございます。」
田舎の人って、たしかに約束の時間よりだいぶ早く集合しますけど。。。
僕がつく前に殺しちゃいますかね…
どんだけ早く着いたんですか、しかも二人とも。
で、僕は覚えたいところはまったく覚えれず。
ちなみにこのイノシシは、小さいやつでした。
が、檻が、でっかい檻だったので余計小さく見えたのですが、
2歳メスということでそれほど子どもでもなく。
(イノシシは5歳くらいがマックス)
しかも夏はやせている傾向があるのですが、
このイノシシはわりかし丸々していて。
冗談半分ですが、
僕はこの4か月、だいぶイノシシを「育てて」しまっていまして。
エサは食べられてるけど、仕掛けには掛かってくれない、
という状態を繰り返すこと4か月。
檻の周辺をこんな風にボッコボコにする破壊力と賢さも兼ね合わせる強敵。
当然というか、エサがなくなっているので、追加するわけで(笑)
そんなにやせていない理由は、ここで一杯食事してたからか??
まぁそれは良いとして、
やっつける所は見れなかったけど、
2歳メスでそれなりに太っていることもあり、食肉にすべく、
次は処理場に持っていき「解体」することに。
新しい軽トラの荷台は、
早速イノシシの血という洗礼を受けました。
もはやそれすらも小さい衝撃でしたが、
とにかくイノシシの死体なりそこからの解体なり、
強烈なインパクトは、写真など載せれるはずもなく、
文字でもちょっとNGなのではないかと思うグロさなので、
ほぼスキップさせていただきます。
イノシシの発見が5時半で、
やっつけたのが9時(前)で、
解体前の下処理が終わったのが10時前。
で、この状態のイノシシの体温を下げてから、さらに解体していくわけで、
それまでちょっと時間がありました。
というか、もうその時間しか、今日もともとやりたかったことはできないのではないかという
プレッシャー。
このイノシシ捕獲による「スケジュール全とっかえ感」。
いつも師匠はやってることですが、
僕は横に居ても、時々は同行しますが、ほぼ「行ってらっしゃーい」くらいの
感じで、自分の作業でイッパイな感じでした。
過呼吸気味に予定をこなし、
解体の時間に滑り込み。
なんだか久しぶりにみっちり教えてもらっているのが嬉しかったりしますが、
これはいったい何なんだろう、という疑問はずっと頭にこびりついていて(笑)
途中までは動物の解体のレクチャー。
そして、
後半はまるでお料理教室のようでした。
念のためですが、「稲作」の師匠です。
器用すぎます。
絶対に真似できない。
でも、
お料理教室の時に、ふと、遠い記憶がよみがえりかけました(笑)
就農1年目の冬に、バイトで飲食店に行ったときに、
ほんとアレコレやらされた、いややらせていただいたのですが、
厨房で、牛とか豚のでっかい肉の塊を、部位ごとに分解していく作業をしたような…。
具体的に何をどうしたのか、コツがどうだったかとか思い出せないのですが、
イノシシ肉を前にお料理教室を受講しているときに、
同じような動きを体が覚えていて。
相当不器用で、一発では絶対についていけない自信のある僕が、
ものすごいギリギリですが、どうにか食らいついていけました。
バイトがここで活きるとは、想定外です。
そして、夕方には解体が終わりました。
早朝5時半に発見されたイノシシは、
夕方5時には、このように。
(イノシシの肩ロース)
稲作って、奥深いな。